もしこの世界がゼリーに満たされていたのなら
僕が歩いた分だけ ゼリーが移動して
遠く外国にいるだれかの手を動かすかもしれない
僕が吹いた息がどこかで、
大きな風となり
青い青い草原を爽やかに駆け回るかもしれない
僕が心に浮かべた暖かな言葉と記憶が
しらない誰かを動かすチカラになっているかもしれない
今こうして僕の動作が
この国のどこか もしかしたら別の時空で
動いた人や動物や虫や微生物の
動きに動かされたなんて、誰がわかるだろう
今こうして僕のこの思考が
誰かの呼吸や、一輪の花の咲くその光や
遠く遠く鳴き響くヨダカや鹿やうり坊の声が
世界をまんべんなく
隙間なく満たしている不思議なゼリーに押され
影響しあって
生まれているものだったなんて
誰がわかるのだろう
世界はきっとそんなゼリーで出来ているのだ。
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